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豊かな水が育む別世界~杉沢の沢スギ&入善乙女キクザクラ~

地下の伏流水が森を育む
富山県入善町 杉沢の沢スギ

入善町の海岸沿いは黒部川扇状地の末端部にあたります。あちこちで自然に水が湧き出し、かつては沢の周辺にスギの林が多く見られたがですよ。残念ながら、圃場整備事業によりほとんどが姿を消してしまったがですけど、現在2.67ヘクタールが「杉沢の沢スギ」として保存されとるがです。
スギはもともと山の植物ながに、海岸付近の沢地で育つのは珍しいがだそうです。スギにとっては恵まれた環境とは言い難いがですけど、黒部川の豊富な地下水のおかげで奇跡的に森を作り、通常の2~3倍の時間をかけてゆっくり成長しとるがですって。このような環境でスギが育つのは日本で唯一とも言われ、国の天然記念物に指定されとります。
案内してくださったガイドさんによると、子どもの頃の記憶では、木々が頭上を覆い林内はもっと薄暗かったそうですが、環境の変化の影響もあって少しずつ林内の景色も変わってきたがだそう。平成16年(2004)には、台風で400本以上の木が倒れるという出来事がありました。自然災害で仕方がないとはいえ、「もとに戻るまでに100年はかかる」と考えると、わずかに残った沢スギを守っていくことの難しさを突き付けられたそうながです。

樹齢140年の沢スギの太さ。殿:沢スギは成長に時間がかかるのぅ。
杉沢の沢スギ 湧き出す地下水 市姫:水がキラキラ光ってきれいながです 沢スギの特徴や歴史を学ぶ「沢スギ自然館」
沢スギが生き延びる知恵

地下水の温度は年間を通じて11~13度になっていて、その水が湧き出しているおかげで夏は涼しく、冬は暖かいがです。日本海を流れる暖流の影響で、もともと暖地性(冬でも暖かい場所)の植物が育つ環境ながですけど、林内には山地性(夏でも涼しい場所)の植物も一緒に育っとるがです。洪水などで種子が山から流れてきたとしても、生育に適していない環境であればやがて見られなくなってしまうもの。育つ場所が違うはずの多様な植物が混在して見られることも、ここが奇跡の場所であることの証といえるかもしれんがです。
沢スギはタテヤマスギの系統で、雪が積もりにくいように葉っぱが閉じています。幹はしなやかで粘りがあり、雪などで倒されても簡単には折れないようになっとるがです。そして一番の特徴とも言えるのが、幹や枝から根を出すこと。昔の人たちはスギを燃料や建築材として利用しとったがで、この性質を活かして人為的に枝を地面に付け新しい木を育てていたそうながです。人の手を借りながら環境に合わせてスギも進化し、この場所で生き延びてきたがですね。

オモト(暖地性)とショウジョウバカマ(山地性)が同じ場所に生えています 同じ株から幹が何本も!(伏条更新)
ピンク色に染まっていくサクラ
入善乙女キクザクラ

平成23年(2011)、沢スギの林内で新品種のサクラが発見されたことが発表されました。「入善乙女キクザクラ」と命名されたそのサクラは、花びらがとても多く、満開になるとポンポンのようながです。名前にある「乙女」は、花の色が白色からピンクに変わっていく様子にちなんで付けられたがだそう。なんとも可憐な花にはぴったりな名前ながです♪
遅咲きながで例年だと4月中旬から下旬が見頃だとか。開花期間は2週間ほどで、長く花を楽しめるがも入善乙女キクザクラの特徴ながです。今年(2019年)は暖冬だった影響で開花が早まるかもしれんから、見逃さんようにせんならんがです!
入善乙女キクザクラは、これまで林内に同じ特徴を持つ木は見つからず、突然変異で生まれたひとりぼっちのサクラだったがです。しかし、地元の入善高校農業科でバイオ技術による増殖研究が行われ、平成29年(2017)、苗木に初めて花を咲かせることに成功。入善町内の小中学校に苗木をプレゼントして植樹されるなど、ちょっとずつ仲間の木が増えとるがですって! 可愛いサクラが入善町のいろいろなところで見られるようになるがも、そう遠い未来ではないかもしれんがです。

じぃ:沢スギの林を出ると見える後立山連峰の雄大な眺めもおすすめですぞ!

【杉沢の沢スギ・沢スギ自然館】
富山県下新川郡入善町吉原950
TEL 0765-72-1710

開館時間 9:00~17:00(16:30までに入館してください。)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・祝日の翌日・冬季(12月28日~2月末日)
入館料 無料
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問合せ 入善町教育委員会事務局 TEL 0765-72-3858 / FAX 0765-74-2790



(2019年3月28日)