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明治時代にタイムトラベル! 復元された「松桜閣」

繊細な京風建築
富山県黒部市若栗にある松桜閣(しょうおうかく)

復元された松桜閣(しょうおうかく)は、もともと初代富山県知事(着任当時は県令)の国重正文氏の住まいとして、明治16年(1883)に建てられたがです。当初は富山市にあったものですが、国重氏が転任した後、空き家になっていた建物を黒部の豪農・西田収三氏が買い取って現在の場所に移築しました。
京風の数寄屋建築で、細い柱や低い天井が特徴的。天井に手が届き、鴨居などは頭をぶつけそうながですけど、この低さも、畳に座ってみるとちょうど良い感じ。余計なものを削ぎ落とした簡素なつくりのなかに、研ぎ澄まされた美意識を感じるがです。
壁が少なく、障子戸の向こうには広いお庭を見渡すことができて、すごく開放的。明治時代に思いをはせて、静かなひとときを過ごせるがですよ♪

黒部にこんなところがあったがですね~☆
まさに黒部の銀閣寺ながです!!
松桜閣 室内
貴重な文化財の復元

松桜閣は3年の歳月をかけて解体・復元され、平成23年(2011)5月に完成しました。復元前の松桜閣は建物の傷みが激しく、文化財としての保全もままならない状態やったがですけど、これを憂えた地元・若栗地区のみなさんがNPO法人を立ち上げ、「松桜閣を復活させよう」と奔走されたがです。職藝学院の上野幸夫教授に相談を持ちかけ、数々の問題をクリアしながら、ようやく工事にこぎつけました。
楼閣の数寄屋造りは全国的にも珍しいそうで、建築学的にも貴重なもの。解体の過程で、建物の改造の変遷も明らかになり、往時の姿をよみがえらせることができたがです。
ここに住まれた初代県知事・国重正文氏は、治水・土木・産業振興・教育に力を注ぎ、文字どおり、富山県の礎を築かれた人。多くの客人をもてなしたであろう邸宅ですが、つつましやかな暮らしぶりを垣間見ることができます。見た目の派手さはなくても、文化的な豊かさにあふれとるがです。

扇子に書かれた国重正文氏の詩
扇子に書かれた国重正文氏の詩。
「親孝行する人は、専念も万年も名が後世に残るものだ。親孝行しなさい」・・・とな。市にも見習ってもらいたいものじゃ!
随所に見られる伝統の技

復元工事は、上野教授の指導のもと、職藝学院の学生さんたちによって行われました。基礎は、自然石が使われていて、ばらばらな形を残しながら積み上げてあります。同じ形に加工した切り石を積み上げるよりも、断然手間ひまがかかるやり方で、高度な技術が必要ながです。壁の塗り方、障子の張り方にも、最高級の技が駆使されとるがですけど、さりげなさすぎてうっかりすると見過ごしてしまいそうながです・・・。
雨戸は、四隅を曲がって進み、すべて1か所に収めることができるので、広々とした視界を遮らないようになっています。障子戸にはめられているガラスの多くも当時のものを使っているので、ゆがみや気泡が入っていますが、それが逆に味わいとなっとるがです。復元工事に合わせて新しくなった表門や渡り廊下、物置なども、松桜閣の雰囲気に合わせて数寄屋風の意匠が凝らされとって、実はすっごい贅沢なつくりになっとるがです!!

松桜閣 室内
表門や渡り廊下
心ひかれる水辺の風景
松桜閣のお庭

松桜閣のもうひとつの魅力は、お庭とのコラボレーション。東側に広がるお庭と建物が一体となって、四季折々の風情を醸し出しとるがです。「松桜閣」という名前も、最初お庭に植えられていた松と桜にちなんで付けられたもの。池のまわりにさまざまな形の石が配置された回遊式庭園で、アカマツを中心とした樹木が茂り、季節の花々も咲いとるがです。
近江八景を模したお庭で、庭師・城川久治(渓水)氏が昭和7年(1932)に完成させたもの。池は琵琶湖を表し、五重塔は「石山寺」、石橋は「瀬田の唐橋」、というように、琵琶湖周辺の8つの景勝地を庭園のなかに見ることができるがです。
象石や座禅石、亀石など、石にもそれぞれ名前が付けられ、松桜閣の座敷からすべてを一度に眺められるように、放射状に配置されているという妙。池には曲水が注ぎこみ、奥には大小2つの滝が流れ込んどって、絶え間なく聞こえる水音に心が癒やされていくがですよ~☆

お庭の亀石
あっ、カメさん!
風流ながです☆だんごでも食べながらお月見したいがです!

【取材先の概要】

〈松桜閣〔しょうおうかく〕〉

◯ 所在地:富山県黒部市若栗2774
◯ 問合せ・見学申込み先:NPO法人 松桜閣保勝会(TEL/FAX:0765-54-0225)

◯ アクセス:富山地方鉄道 舌山駅より徒歩2分/北陸自動車道 黒部I.C.より車で5分
◯ 営業時間:10:00~16:00
◯ 定休日:水曜日 ※冬期間(12月~3月)は見学できません。
◯ 見学料(協力金):300円 (庭園のみ観覧の場合は100円)
◯ HP:http://www.city.kurobe.toyama.jp/syououkaku/

(2011年9月16日)