富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山・黒部・宇奈月 観光がもっともっと楽しくなる情報サイト!

富山県は黒部から発信する食と観光のポータルサイト
黒部藩藩主こと、黒部太陽と個性豊かな仲間達とともに黒部の魅力を余すことなくお伝えします!

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

第21回 達人

「書の道は人間修養の場①」
舟田修三(寿水)さん

(公財)独立書人団評議員・富山県独立書人団代表、抱舟会主宰

第21回 達人「書の道は人間修養の場①」舟田修三(寿水)さん

古希を迎えて

舟田修三(寿水)さん

舟田さんが書道を始められたのは20歳のころ。昭和37年(1962)に職場の先輩の紹介で富山商業高等学校の鶴木大寿先生(のちに富山大学教授)に師事し、以来50年にわたって書の道を歩んでこられました。現在、所属する独立書人団では富山県独立書人団代表、本部役員(評議員)を務めるほか、地元の書道団体等の要職を歴任し、数々の受賞歴もお持ちながです。
各団体の展覧会が年に5~6回、そのほかの発表展示なども含めると年間15作品ほどを制作されている舟田さん。今年(2012年)の1月に第60回記念独立書展で会員賞を受賞した作品「達」は、ご自身が古希を迎えるにあたっての心境を表したものなんだとか。「70歳に到達した、ここまで来れた、という思いでこの字を選びました。最後の一画に勢いがあるということで評価されたようです。」180センチ×180センチの迫力ある大作は年齢を感じさせず、古希を迎えてますます充実する気力が伝わってくるがです。

市姫:お行儀よくせんにゃ!よろしくお願いします!

受賞作品の「達」

書風は変化する

書道を始めたころと現在とでは、作風(書風)が変化しているとおっしゃる舟田さん。若いときは200~300字ほどの漢詩を書いておられたそうながですけど、最近は1字、2字の作品が多く、墨も青みがかった淡墨ながです。「書道では、漢字やかな、漢字かな交じり書などいろいろな流れがあるが、わたしは漢字が好きだったので漢字を書いてきました。」
今でも東京の先生に指導を受けておられるそうで、学ぶ姿勢を忘れません。「作品制作の過程で行き詰まったら、ひとりではなかなか解決できない。そんなとき違った捉え方でヒントをもらうと、案外すっと書けたりするんです。」
書道作家として常に向上心を持って作品づくりに取り組み、「人の意見を聞いて、吸収したことが作品に表れる。書き方も変わっていいと思うし、逆に言えば変わらないと進歩がない。」とおっしゃいます。謙虚な気持ちで書と向き合っておられるから、作品も磨かれていくがですね☆

淡墨で書かれた作品

感動を作品に

書の道を究めるため、日頃から鍛練を続けておられる舟田さん。書道の講習会には積極的に参加し、作品のインスピレーションを得るために、本を読んだり、講演会にでかけたりすることも多いそうです。「いいな、と思う言葉があったらメモしておいて、それを作品に活かします。読んだこと、聞いたことのなかから、感じたことを作品に表す。自分の感動がないと、いい作品にはならないんです。」
古典の勉強はもちろん、ほかの人の作品を見て研究することも。「いい作品は、解説などなくても、そこに込められた思いや願いなどが伝わってくる。日頃の勉強が作品に表れると思うし、毎日の積み重ねは修業みたいなものかもしれない。」
体調や心情なども作品の良し悪しに影響するのだとか。「風邪をひいたときや、悩みごとがあるときはあまりいいものが書けない。作品によっては大きな筆で一気に書くので、勢いも必要です。健康がいちばんですね。」自らを厳しく律する姿は、まさしく求道者ながです!

これぞ達人☆