富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

恵みの多き富山 黒部の里。美しい自然に囲まれ、おいしい海の幸・山の幸が満載のまちです。そんな土地を知り尽くした達人たちに、暮らしのなかで感じる魅力を伝授してもらいます。

第20回 達人 (1/2)

「100年の歴史を次代へつなぐ」

稲村修さん(魚津水族館館長)

日本でもっとも古い水族館
富山県の魚津水族館

魚津水族館は、大正2年(1913)に富直鉄道(富山-直江津、現在のJR北陸本線)の開通などを記念して行われた1府8県連合共進会(富山県主催)の第2会場として開設されました。できた当時、日本海側では唯一の水族館で、9つの水槽に約100種類のお魚たちを展示。会期中は多くの人でにぎわったがです。
共進会が終わった後は魚津町立(現在は魚津市立)となり、一時的に閉館していた時代もあったがですけど、第2代(昭和29年設置)、第3代(昭和56年設置)と場所を変えながらも営業を続け、平成25年(2013)には足かけ100周年を迎えるがです!現在、日本ではもっとも古い歴史を持ち、ホタルイカの研究では世界トップクラスの実績を誇るという、すごい水族館ながですよ。
富山県内で水生生物を常設展示しているのはここだけ。名称としては「魚津」の水族館ながですけど、開設された経緯も考えると、富山県民みんなの水族館といっても過言ではないがです。

100年の歴史ある写真
市姫:水族館大好き!100年の長い歴史があるなんて素敵ながです☆
富山のさかなたち

稲村さんは入善町舟見のご出身で、釣りが好きな親戚のおじさんに連れられて海へ通ううち、魚に興味を持つようになったそうです。大学で水産の勉強をして昭和55年(1980)から魚津水族館に勤務。平成23年(2011)には館長に就任されました。
「うちには、イルカもいないしジンベエザメもいない。でも、やっていることや展示内容には自信があります。小さいからこそ、できることがあるんです。」
魚津水族館は、富山県内の各漁協ともつながりがあり、珍しい魚が持ち込まれることもしばしば。漁師さんのほか、個人で釣りをされる方や、スーパーの鮮魚担当の方など、富山で魚に関わる人たちの間では、「おもしろい魚がいたら水族館へ。」というルートができあがっとるらしいがです。稲村さん曰く、「変わった魚がいると、基本的には魚津水族館に連絡が来る。持ち込まれた魚のなかには、オオクチイケカツオのように、日本で初めて記録された魚もいます。」たくさんの人が協力してくれるのも、魚津水族館の100年の伝統があるからこそながですね。

魚津で話題のウマヅラハギ
市姫:おいしそうながです...
大学院で環境科学を学ぶ

年に20回ほどの講演をされる稲村さん。水族館の館長ということで、「富山の魚」や、「ホタルイカ」をテーマに話されることが多かったそうですが、あるときふと、同じ話をするのに飽きてしまったがだそうです。「仕入れのない商売は、おもしろくない。何か仕入れようと思ったとき、魚を入れる器(うつわ)、つまり環境のことを勉強しようと考えました。」
大きな視点で海のなかの生態系を考えたとき、魚どうしがどのようにつながっているのか、川が運ぶものはどこから来てどこへ行くのか、何も知らないと感じた稲村さんは、生物地球化学の研究をしておられる北海道大学大学院環境科学院の南川雅男先生の存在を知り、平成19年(2007)に同大学へ入学。「若いとき、北海道大学に行きたかったけど、母親は遠いからと言って反対したんです。お互いにそのことがずっと心残りだったんですが、今回、習いたい先生がいるということで北海道大学を選べたのはラッキーだったし、母親も喜んでくれました。」これも縁、ながかもしれんがです。

魚津水族館 館長 稲村さん

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