富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山・黒部・宇奈月 観光がもっともっと楽しくなる情報サイト!

富山県は黒部から発信する食と観光のポータルサイト
黒部藩藩主こと、黒部太陽と個性豊かな仲間達とともに黒部の魅力を余すことなくお伝えします!

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

第7回 達人

「若さと意欲で起こせ!農業のニューウェーブ①」
濱田智和さん

(濱田ファーム代表)

第7回 達人「若さと意欲で起こせ!農業のニューウェーブ①」濱田智和さん

田んぼには興味がなかった学生時代

「濱田ファーム」さんの田んぼ

「濱田ファーム」を立ち上げ、専業農家として米づくりに取り組んでおられる濱田さん。黒部の若手生産者のなかでも草分け的存在で、黒部市石田の立野地区で60枚ほど(約10ヘクタール)の田んぼを作っておられます。若くして、先駆的な農業を推し進めておられるので、昔から農業に興味があったのかと思いきや、
「ずっと、農業をやろうと思っていたことはなかった。たまたま、大学は農学部だったけど、そこまで考えていなかった。」
とのこと。家は兼業農家で、わずかながら田んぼもありましたが、もうやめようか、という話になっていたそうです。濱田さん自身、大学院時代には雑草の研究に取り組み、「田んぼが好きじゃなかったから、イネではなくてムギをやっていた」。卒業後も会社勤めをされていて、農業とは無縁の生活でした。

広い田んぼながです!

カナダでの経験

そんな濱田さんが農業を始めようと思ったのは、カナダでの生活がきっかけでした。
「会社を辞めたとき、自分がこれまで守られていたな、と思った。大学生とか、会社員とか、そういう枠がなくなって、何も、誰も助けてくれない。カナダに行って、着るものしか持ってなくて、言葉も通じないなかで、ある意味サバイバルな生活をするうちに、人生って、何をやってもいいんだな、と思うようになった。まあ、人生って言うと大きすぎるかもしれないけど。(笑)」
ホストファミリーのおとうさんやおかあさんの自由な生き方を見ていて、これまでの考え方に囚われずに自分を見つめ直した濱田さん。帰国して黒部に戻り、これからのことを考えたとき、
「就職先とすれば、都会のほうがたくさんあるし、それはちょっと違うな、と思った。なんとなく、農業をやったら楽しいのかな、という気持ちになりました。」

田んぼを眺める濱田さん

みんな取り払って、じっくり考えたから、自然と答えが出たのかもしれぬのう。

就農を阻む壁

農業を始めようと思った濱田さんは、市や県の就農支援の窓口を訪ねますが、最初はすべて断られたそうです。
「ダメとは言われないけど、やめとかれ、って。学歴もあるんだから、考え直して会社に勤められ、って諭されました。」
それでもあきらめずに別の窓口を探し、県の農業公社(現・富山県農林水産公社)に行ってやっと、研修をさせてもらえることになりました。2週間の短期研修から始まり、長期研修に進み、入善町の米山農産で1年間研修。2年間の修業時代を経て、3年目(2004年)に晴れて就農となりました。
現在、法人の農家に従業員として入ってくるなど、農業をする若い子は増えているようですが、黒部市では、機械も田んぼもない状態からの新規就農は珍しいらしく、濱田さんの後にはそういう例は聞かないとのこと。
「まったく農業と関係のないところから、変わった人が入ってくると楽しい。逆に、そういう人が入ってこないと、農業も変わらないでしょうね。」

田んぼを眺める濱田さん

新しい風が農業を変えるのかもしれません。