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第42回 達人

「ふるさとの絆を結ぶおらちゃの獅子舞②」
沓掛獅子舞保存会

沓掛獅子舞保存会 副会長 髙村 浩之さん
沓掛獅子舞保存会 事務局長 川添 雅典さん
沓掛獅子若連中 団長 横田 翔也さん
沓掛獅子若連中 前団長 高村 恭平さん

第42回 達人「ふるさとの絆を結ぶおらちゃの獅子舞②」沓掛獅子舞保存会

伝統を壊す勇気

途切れることなく獅子舞を伝承されてこられた沓掛の獅子舞ですが、若者が集まらず存続が危ぶまれる時期もあったそう。
そもそもは、曜日に関係なく10月29、30日に行われていた秋祭り。ですが、平日開催だと仕事や学校の都合で若者が参加できない状況が続いとったそうながです。このままでは、参加する人も見る人もいなくなってしまう・・・昔から続いてきた決まりを破るのに抵抗があるのは当たり前。それでも祭りが廃れるかもしれないという危機感から、当時の若連中の皆さんが日程の変更を提案されました。当然、村との衝突もあったそうながです。けれど、根気よく話し合いを重ね、神社にも掛け合い、現在の土日開催にこぎつけられたがです。さらに、それまで男踊りだけだった祭りに、「おらちの娘も参加させてよ」と声を掛けられ、女性も参加できるようにされました。
「伝統は壊せるんですよ。本来なら変えてはいけないことなのかもしれないが、それに囚われすぎて、獅子舞が途切れてしまっては意味がない」と。また、「その時代時代に合わせた柔軟な動きができたというのが、今まで獅子舞を伝承し続けてこられた大きな要因では」とも分析されます。
伝統を破ったことが、結果的に伝統を繋ぐこととなったがですね。

富山県黒部市 沓掛獅子舞の法被
富山県黒部市 沓掛獅子舞の女性部の練習風景

獅子舞が繋ぐ地域の輪

富山県黒部市 沓掛獅子舞保存会の皆さん

先の伝統の変化は、祭りだけでなく子供達にも思わぬ影響を与えました。
昔は、小学校を卒業したら獅子舞から一旦離れ、社会人になって戻るのが当たり前だったそう。それを、卒業後も自由参加にしたところ、中高校生達が自ら、小学生達に踊りを教えに来てくれるようになったがです。目上の人との関わりは、子供達にとって縦の関係を学べる貴重な経験の場となりました。
「獅子舞という繋がりがあるから、年が離れた者同士でも交流が持てるのだと思います」と、おっしゃるのは保存会副会長の髙村さん。さらに、そんな若者達を保存会メンバーや地域住民の方々が支えとられます。裏方の仕事を引き受け、支えてくださるおかげで獅子舞に打ち込むことができると、若連中のお二人はおっしゃいます。
「沓掛の獅子舞の見所は”元気”!若い分、伝統を感じられない部分があるかもしれないが、その分、新しい物を取り込んで、どんどんより良くしていきたい」と、意気込みを語ってくださいました。沓掛に生まれた人達にとって獅子舞は、今までもこれからも、世代を超えて地域の人々を繋ぐ大切な存在ながです。

今回取材を受けてくださった保存会の皆さん

太陽:県外に行った若者の中には、祭りの時期には必ず帰ってきて参加する方もおられるとか。 じぃ:獅子舞は故郷の宝ですな。

沓掛獅子舞
日時:毎年9月の第4土曜、日曜の2日間
場所:黒部市沓掛地区
HP:「沓掛の獅子舞」http://www.kutukake.org/

(2018年4月2日)