富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山 黒部の観光情報サイト「黒部藩」

富山・黒部・宇奈月 観光がもっともっと楽しくなる情報サイト!

富山県は黒部から発信する食と観光のポータルサイト
黒部藩藩主こと、黒部太陽と個性豊かな仲間達とともに黒部の魅力を余すことなくお伝えします!

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

第40回 達人

「ジャンボ西瓜に思いを馳せる、さん俵作り②」
高見薫さん

入善ジャンボ西瓜生産者

第40回 達人「ジャンボ西瓜に思いを馳せる、さん俵作り②」高見薫さん

畑に出るのを心待ちにしながら

冬季に入ると、いよいよさん俵を編む作業が始まります。さん俵は2枚一組で、自分が作るジャンボ西瓜の大きさに合わせて編んでいきます。高見さんは、これを一日に30〜40枚、トータルで1,000枚ほど作られるがです。
作り方は生産農家さんによって様々。高見さんは、すいたワラをさん俵編み機の上に十字にセットし、盤を回しながら丁寧に編んでいかれます。このさん俵編み機、高見さんご自身が事務用の椅子を改造して作られたがですって!最初はご自身が椅子の周りを回りながら編んどられたがですけど、改造を重ね、今では回転や角度調整もできるようになったがだそう。
「自分なりに工夫したり考えたりするのが楽しいがいちゃ」と、お話をお聞きする間にも、次々とさん俵が積み上げられていきます。
もちろんワラにもこだわりがあるがだそう。以前は、ワラをローラーに通して柔らかくしとられたそうながですけど、今はそのままで編んどられます。「ワラのザクザク感を出したいが。丸い西瓜にしんなりとしたさん俵じゃ似合わないぞ、と自分の考えなが」とのこと。固いワラを編む作業は、手が荒れタコができ、力もいるから大変ながですけど、高見さんは「西瓜の栽培もそうやけど自分のこだわりなもんやから」と、一つ一つに思いを込めて、楽しく作業されとるがです。
作業小屋では、今年の西瓜の出来や天候を思いながら作業をされるそう。「ある程度の期待もあるし、待っとる人がおるからね。良いものを作りたいなと思います。まぁ、畑に出られる日が待ち遠しいがやけどね」と、嬉しそうにおっしゃいます。

農業は楽しく、人生は楽しく!
ジャンボ西瓜や農業について楽しそうに語る高見さん

ジャンボ西瓜の収穫が始まると、高見さんの家には県内外から西瓜を求めて沢山の方が訪れるがだそうです。
「ありがたいことやね。贈った人じゃなくて贈られた人から、手紙やハガキが届くんだけど、それが励みになる。嬉しいね、本当に嬉しい。やっていて良かったなと思う」
ジャンボ西瓜の栽培は、他の西瓜とは違う特別な栽培方法で育てられており、管理がとても大変ながです。自根栽培といって、種を蒔き、苗木を育て畑に植えるやり方ながですけど、一度収穫した畑は土壌障害を避けるために連作はせず、なんと10年間は使われんがだそうです。また、植えてからも1日畑を空けると2日の遅れ、2日も空ければ3〜4日の遅れになるそうで、それくらい手間がかかる西瓜ながだそうです。それでも、難しいからこそやりがいがあって楽しいと高見さんはおっしゃいます。
「好きなこと(ジャンボ西瓜の栽培)をやれるって、楽しいことながいちゃ。農業は楽しく、人生は楽しくというのが自分の考え。人生って何十年って言うけど、稲も西瓜も一年に一回しか作れんから”一年は一回や”という思いでいます。あと何回生きられるかなというのを考えたら、躊躇しとらずにやってみることやちゃ」
以前は、お勤めもされていた高見さん。「これやれて幸せに思っとらいぜ。すべてうちの女房のおかげやと思っとるから。理解がないとできない。黙ってやらせてくれとるからできるんだから、ものすごい感謝している」と、ご家族への感謝の気持ちを語られます。

ジャンボ西瓜のことを話す時、高見さんは笑顔で楽しそうにお話しされるがです。本当に好きなことをやっていらっしゃるんだなというのが、ひしひしと伝わってきました。
高見さんのこだわりと愛情がぎっしり詰まった入善ジャンボ西瓜。実る夏が待ち遠しいがです~♪

(2017年6月29日)