第7回 達人 (2/2)
「若さと意欲で起こせ!農業のニューウェーブ」
濱田智和さん(濱田ファーム代表)
就農から7年。当初の計画をやや上回るくらい、順調に農業経営を進めておられますが、これ以上田んぼを増やすつもりはないそうです。
「うちは、農家としての規模は大きくないし、専業農家でやっていくにはギリギリの線。でも、それでも成り立つくらいのビジネスモデルを作りたいと思っています。今は親父と二人でやっていますけど、これ以上になったら誰かの手を借りなきゃいけない。そうなると、自分が作ったとは言えなくなる。ちゃんと管理もできて、目の届く範囲が、今ぐらいの規模じゃないかな、と思います。」
昔ながらの農家でもなく、ほとんどの田んぼは人から借りているという濱田さん。
「その分、自由度がある。やめたくなったらいつでもやめてもいい、という気持ち。」
これは、自分が選んだ道だからこそ、言える言葉。誰に押しつけられたわけでもなく、純粋に農業に向き合う気持ちが、濱田さんの原動力になっていることを感じました。
濱田さんの田んぼでは、無農薬栽培にも取り組んでおられます。散布する農薬の量や濃度、時期などの使用基準を守れば、残留はしないというものの、これまでの経験から農薬を使うことに疑問を持つようになったとのこと。
「栽培履歴を、買ってくれる人に堂々と見せられるだろうか。予防のための農薬なら、それほど必要ないんじゃないだろうか。」
無農薬だと、虫が出るし、病気になるし、草も生えます。でも、なんとかして、無農薬栽培の方法を確立したい、という濱田さん。
「理想は無農薬なんですが、今の僕の技術では、草だらけで手間の割に収量が少ない。無農薬は、草とのたたかい。でも、なにか方法があるはず。克服したいというか、僕のひとつの目標です。」
最後に見せてもらった田んぼは、ちょうどイネの花が咲いたところ。風通しを良くするため、通常よりも間隔をあけて植えてあるそうです。1平方メートルあたり45株ぐらいにすることで、虫もつきにくくなるとか。全くの無農薬は難しくても、手間と工夫でなるべく農薬は減らし、お米をおいしくするための努力を欠かしません。
「直売をするようになって、栽培方法が変わってきた。お客さんにおいしい、と言ってもらったら、どうしておいしいかを考えるようになる。どういうやり方がいいのかを考えて、いろいろな農法を試したりしている。農協に出すだけだったら、栽培ごよみのとおりに作ればいいけど、自分たちで売るときは、何か付加価値をつけないといけない。」
濱田ファームとしての将来像は?
「これからも農業は続けていくと思うけど、10年先にどうなっているかはあまり想像していない。ただ、芯が1本通っていなければいけないとは思う。それが、『おいしい米をつくる』ということ。おいしくなければ、濱田ファームの米じゃない。」
力強い言葉に、挑戦者としての気概を感じます。これからいよいよ実りの秋、そして新米の季節。濱田さんのおいしいお米、楽しみです!











