富山・黒部・宇奈月・魚津・入善・朝日のことを教えて、達人!黒部講座

恵みの多き富山 黒部の里。美しい自然に囲まれ、おいしい海の幸・山の幸が満載のまちです。そんな土地を知り尽くした達人たちに、暮らしのなかで感じる魅力を伝授してもらいます。

第40回 達人(1/2)

「ジャンボ西瓜に思いを馳せる、さん俵作り」

高見薫さん

入善ジャンボ西瓜生産者

ジャンボ西瓜を包み飾る「さん俵」

富山県の入善町で生産されている入善ジャンボ西瓜は、120年以上の歴史があり、糖度の高い西瓜では日本一大きいことで知られとります。平均的な大きさは長さ40cm、直径30cmにもなる巨大な西瓜。重さは平均17〜19kgあり、大きいものは25kgを超えるものもあるとか!でも大きいからといって大味ではなく、サクサクとした食感と、みずみずしくサッパリとした上品な甘さが特徴の美味しい西瓜ながですよ。ジャンボ西瓜の出荷は7月中旬から8月中旬頃まで行われ、贈答品としても人気があるがで、全国へと発送されとるがです。
ジャンボ西瓜は「さん俵」と呼ばれる稲ワラを編んだ物に包まれ出荷されます。これは、西瓜に傷が付かないよう保護する役割と、大きな西瓜を持ちやすくする為に工夫されとるがです。さん俵に包まれた民芸調の姿は、ジャンボ西瓜の存在感を一段と引き上げ高級感を醸し出します。ながで、ジャンボ西瓜が届いてもすぐには食べず、しばらく床の間などに飾られる方もおられるがです。
入善町在住で、長年ジャンボ西瓜の生産に携われてこられた高見さんは、以前、東京のデパートに飾られとった高見さんのジャンボ西瓜を見たお客様に「さん俵で包んであるから一際目を引くよ!」と教えてもらったそうながです。
入善ジャンボ西瓜といえば、このさん俵に包まれた姿をイメージするほど、さん俵は入善ジャンボ西瓜には、かかせない存在で親しまれています。

市姫:明治の初めに黒部市荻生村で栽培が始まったそう。縞皮西瓜や黒部西瓜と呼んどったそうながですよ。
高見さんとお手製の入善ジャンボ西瓜の模型
ワラは大切な財産

さん俵の準備は、ジャンボ西瓜の収穫が終わった翌月の9月上旬頃から始まります。稲刈りをした後にワラを天日干しする作業があるがですけど、高見さん曰く、これが一番大変な作業ながだそう。
ワラを充分に乾燥させるには最低でも4~5日は必要で、「一週間良い天気が続くぞ!」という日を見計らい、稲を刈ってワラを干すがです。でも、いつも良い天気が続くとは限らず、雨が続くことも・・・雨が降れば屋内にワラを移動させ、天候が回復したらまた外で干します。その作業を怠ると、ワラの色が悪くなったり、田んぼで腐ったりするがですよ。それで、全くワラが採れなかった年もあったがだそう。
「昔はそうやったら、能登の方からワラを買ったりしとったけど、今はワラを採る人もいなくなってきたから、とにかく自分で用意せんと。ワラは私らにとって非常に大事なもの。財産なが」
ジャンボ西瓜の栽培をしながら稲を育て、さん俵用のワラも用意するがはとても大変なこと。一時、「さん俵を発泡スチロールにできないか」というお話も出たそうながやけど、高見さんは一番に反対されたがですって。ジャンボ西瓜を待っていてくれる人がいると思うと疎かにはできないと思われたがです。
「自分たちの作業が大変やっていうことだけで、辞めるわけにはいかんなと思った。自分がやっている間はこれだけは残したい。だって喜んでくれるもん」
ジャンボ西瓜の生産農家の皆さんは、楽しみに待っとられる方々を思いながら、さん俵を作り続けてくださっとるがです。

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