花岡さん:僕は、20年前に横浜から黒部へ引っ越してきました。最初、ここに家を建てたばかりのころ、電気は蛍光灯ではなくて、昔の電球を使っていたんです。そのやわらかい光を見て、前を通りかかった中野さんが気になっておられたようで。家自体も、真っ白で3階建てで、今まであった石田のおうちとはちょっと違っていたので。
中野さん:気になったよ。覚えてる。
花岡さん:その後、桜の運動が起こったんです。黒瀬川の堤に昔、桜があったんだけど、河川改修で全部切ってしまった。地元の人が、それを復活させようと活動を始めたのに誘われて。それで正式に知り合いました。
中野さん:そのころ、わたしは夫婦でお付き合いできる人を探していました。花岡さんのお宅に来るとほっとするでしょ。和やかな雰囲気で、奥様も優しいし。花岡さんは、もともと地元にいらっしゃる方より、よっぽど黒部のことを考えてらっしゃるし、石田のことも考えてらっしゃる。地元だけにいる人は、視野が狭くなって、素敵なところがわからない。うちは主人が群馬なんですが、こんなに素敵なところなのに、なんでみんなもっと活用しないのか、ってよく言っています。わたしは、主人がいるから黒部は素敵なところだと思える。黒部って、本当にいいところなんだよね。
花岡さん:20年前、ひまさえあれば県内をめぐりました。確かに、地元の人より、知っているかもしれない。蜃気楼も見たし。
中野さん:花岡さんは、わたしたち以上に黒部のいいところを知っていると思う。ひょうたんひとつ取っても、わたしはただのひょうたんにしか見えないけど、花岡さんなら、「これは、黒部の◯◯でとれて、こうなんだよ」って教えてくれると思う。食べ物のこととかも、すごく詳しい。
花岡さん:20年前に来たときには、外食するところがありませんでした。実はここで、小さな喫茶店でもやろうかと思っていたんだけど、「石田で飲食店やったら必ずつぶれる」と言われて・・・。
中野さん:場所によって、お水がおいしくないことがあるんですよね。
花岡さん:ここらへんだと、桜堤の水が、わずかにしょっぱいというか、苦みがある。でもいいほうです。石田で井戸を掘っても、あまりおいしくない。海水が混ざっている感じで。
中野さん:うちはおいしいよ。本当は、倉の横にも井戸を掘りたいんですが・・・。













